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(25)デビアスが合成ダイヤモンドジュエリー販売に参入


2018年5月29日、デビアスが合成ダイヤのジュエリーの販売を開始すると発表したとBloomberg社が伝えました。2016年の始め、メレ・バンクカフェ(23)においてデビアスの合成ダイヤモンド販売の可能性について述べていましたので再録します。
 
De Beersが合成ダイヤ市場に色気?
年明け早々、Element Six社がシンガポールで無色のタイプⅡAのダイヤモンド合成にかかわる特許侵害で提訴を行うという報道がなされました。Element Six社はDe Beersが工業用ダイヤ原石を販売するために作ったIndustrial Distributors Ltd.を母体とする周期律表の6番目の元素‘炭素’に因んで名づけられた会社です。工業用ダイヤ原石を販売する傍ら、合成ダイヤの研究も行い、1953年には初めてのHTHP合成に成功、1978年には合成ダイヤの売り上げが天然ダイヤを上回り、1980年代後半にはCVD合成に成功、世界で最も合成ダイヤの製造ノウハウを有している会社と言われています。無色、タイプⅡAの合成ダイヤはレーザー等、工業用にも使用されるのですが宝飾用としても使用可能なアイテムです。他社の合成ダイヤが宝飾市場で販売されることにDe Beersが不快感を覚えているという報道は以前からありましたが、この特許侵害訴訟はDe Beersの宝飾合成ダイヤ市場進出の布石ではないかと穿った見方をする向きもあるのです。私は1980年代の初めにブラウンやナッツやミルキーなどの低品質のメレーがインドの市場に大量に登場して驚いた覚えがあります。今からして思えば、あれは合成に取って代わられて売れなくなった工業用ダイヤ原石を宝飾用に転換して売りさばいた結果ではないかという気がしています。原石を高く売ることが目的ではなく在庫処分だったため価格は安く、インドの研磨業者は研磨したダイヤがコストの数倍で売れて、ダイヤモンド産業急成長の原動力になった模様です。また、ジュエリーの大衆化が進行した時代で市場も安い材料を求めていたことがDe Beersにとっても幸運だったわけです。この経緯を考えるとDe Beersが宝飾合成ダイヤ市場への進出を考えている可能性はあると思います。
 
この私の見方が現実になったようです。ここ数年、宝飾用合成ダイヤの製造業者、販売店は米国を中心に急増してその市場規模は800億ドルに達し、更に増加すると見られています。合成ダイヤモンド製造技術では世界有数のデビアスが価格攻勢で宝飾合成ダイヤモンド市場に打って出た、という図式でしょう。デビアスはLightboxという名前で、若い消費者を対象に合成ダイヤジュエリーを販売する意向ですが、現在米国市場で4000ドル前後で販売されている1ct石(天然では8000ドル前後)を800ドル程度で販売する予定だそうです。熾烈な価格戦争が勃発しそうです。また、0.5ct 400ドル、0.25ct 200ドルとサイズとプライスの関係も天然とは違ったものになりそうです。いずれにしてもダイヤモンド業界にとって、衝撃をもたらすことは間違いないでしょう。
 

(24)ラウンドメレーのサイズと直径

ラウンドメレーのサイズと直径
ジュエリーの多くが手造りでつくられていた時代はメレーの直径を神経質に揃えるという事はありませんでした。同じサイズのメレーをたくさん並べると、目の錯覚でラインが内反りに見えるという事情もあって、立体的なデザインでは微妙にメレーのサイズを変えて石留することが職人技と考えられていました。
 
しかし、キャスティングやCADによる枠の形成が主流となってくるに従って、メレーのサイズは職人の裁量の範囲ではなくどこにどんなサイズのメレーを留めるかは予め指定されるようになってきました。特に、マイクロセッティングと呼ばれる直径1mm前後のメレーを何百ピースも留めるデザインでは0.1mmを切る誤差でメレーを揃える必要が生じました。
 
メレーはシーブと呼ばれる円形の金属板に穴を開けた道具によって仕訳するのが一般的です。小さい穴の開いた板から大きい穴の開いた板へ30以上ある板のどの板で落ちて、どの板で留まるかで大きさを決めます。たとえば1/30ctならば、-8+7(8番で落ちて7番で留まる)という具合に。シーブ板は1番から0.5番刻みで16番まで(5.5番までは直径0.5mm刻み、それ以上は1mm刻み)の30枚プラス0番、00番、000番の3枚が一般的です。これで1/200ct以下から0.2ct位までカバーされます。
 
重量はメイク(形状)によっても変わります。ダイヤの4Cではカットといいますが、ファンシー・カットと混同しがちなのでここではメイクと呼びます。ラウンドブリリアントカットの形状の良しあしです。クラウンの高いもの、ガードルの厚いもの、パビリオンの深いものは同じ直径でも重量は重くなります。クラウンの薄いフラットな石は軽くなりますが、一般的にクラリティーが下がれば下がるほど平均石目は大きくなります。直径2mmのメレーでエクセレントカットに近いナイスメイクのメレーはアベレージ0.030ct位ですが、低い品質では0.035ct位まで上がります。単価の安いメレーを使ったら石目が増えて結果的に安くなかった、というようなケースも起こり得ます。
 
ラウンドブリリアントのダイヤの標準的メイクのおおよその重量は直径 x 直径 x 深さ x 0.0062で求められます。深さが測れない場合は深さを直径の60%と計算して直径x 直径 x 直径 x 0.6 x 0.0062で計算すれば概算の重量が判ります。例えば直径3mmのダイヤなら3x3x3x0.6x0.062=0.10044となって1/10ctです。この計算方法は覚えておくと便利です。
 

(23)金融不安とダイヤモンド市場

 
研磨済ダイヤ価格は上昇基調
2015年、ダイヤモンドの国際価格はかなりの下落を示しました。Rapaportのデータによると通年の下落幅の平均は0.3ct 13.4%、0.5ct 14.5%、1ct 5.8%、3ct 14.5%となっています。しかし、11月以降、価格は若干持ち直し、長期的な下落傾向に歯止めがかかった感があります。特にボリュームゾーンである0.3~0.5ctは研磨量の低下もあって売れ筋を中心に品薄となり、2016年1月にRapaport は0.3~0.9ctの価格を値上げしました。
 
原石の価格は値下がり傾向
昨年後半、サイトホルダーの大半が購入を拒否して原石の流通量が激減して強めの価格で推移していた原石価格は、1月のサイトでDe Beersが約7%の値下げに踏み切ったせいで購入拒否が減り、流通量が増えたため緩やかな下落傾向になっています。Martin RapaportのDe Beers批判に応えたものであるかはどうかわかりませんが好感を持って受け止められていると言えるでしょう。しかし、研磨業者が適正な利益を上げるためには更に10%以上の原石の下落が必要と考えられるので、工場の稼働率を上げてまで研磨量を増やそうという動きは今のところありません。3月の香港ジュエリーショウの結果を見て、これからの研磨計画を練り直そうという感じです。
 
米国のクリスマスセールス
2015年の米国のクリスマスセールスは前年対比3%アップと堅調な実績を残しました。ドル高の影響も多分にあると思われますが、その中で特筆すべきなのはモバイルセールスの急進です。モバイルによる販売は前年対比60%を記録しました。米国はインターネット販売がダイヤやジュエリーでも盛んでダイヤの1個石では50%以上がネットで販売されていますが、ここにきてその主体がPCからモバイルに移っています。米国と日本では市場環境が大きく異なるので、我が国でもネット販売が盛んになってきているとはいえ、日本のジュエリー販売が米国のようになるとは一概には言えませんが、ネット販売あるいはネット集客のツールとしてスマホが主流になってゆくことは間違いないでしょう。
 
日本経済新聞の誤った報道
2016年1月27日の日経夕刊一面に「ダイヤ5年ぶり安値 国際価格5%下げ」という記事が掲載されました。前述の通り、2015年の1ctのダイヤ価格が約5%下がったことは事実ですが、5年ぶりの安値と言うのは事実と全く異なります。この数字が1ctのダイヤ価格を基にしているようなので1ctのダイヤがこの5年間でどのような動きを示したかを見てみると、
2015年1月 ~ 12月 マイナス 5.8%
2014年1月 ~ 12月 マイナス 8.7%
2013年1月 ~ 12月 マイナス  4.5%
2012年1月 ~ 12月 マイナス 12.5%
2011年1月 ~ 12月 プラス  19.3%(1~6月プラス34% 7~12月マイナス11%)
(RapNet Diamond Indexによる)
で2011年の後半から値下がりを続けてきたことが明らかです。リーマンショック前に順調に上昇したダイヤモンド価格は2008年9月のリーマンショックを機に大きく値を下げましたが、当時好況だった中国、インドに助けられ、2009年秋には再び価格上昇に転じ、2011年7月まで上がり続けてリーマン以前の高値を更新しました。そして2011年秋から小刻みの上下はあったものの、2015年末まで下がり続けたというのが事実です。何をもって5年ぶりの安値と言うのでしょうか?ダイヤモンドは緩やかな上昇を続ける商品であるという思い込みがこのような誤った記事につながったのではないかと思われます。また、昨年、日本市場の価格が円安、ドル高の影響で値上げされたという記述がありましたがこれも事実と異なっています。日本のダイヤモンド市場はガラパゴス化した結果、国際的なダイヤの値動きにあまり連動しない市場になっているのです。国内価格の上昇は需要と供給の関係によるもので、昨年の円安、ドル高の影響は殆ど受けていません。一般紙の記事は市場に与える影響が大なので思い込みで記事を書かないよう切に望みます。
 
De Beersが合成ダイヤ市場に色気?
年明け早々、Element Six社がシンガポールで無色のタイプⅡAのダイヤモンド合成にかかわる特許侵害で提訴を行うという報道がなされました。Element Six社はDe Beersが工業用ダイヤ原石を販売するために作ったIndustrial Distributors Ltd.を母体とする周期律表の6番目の元素‘炭素’に因んで名づけられた会社です。工業用ダイヤ原石を販売する傍ら、合成ダイヤの研究も行い、1953年には初めてのHTHP合成に成功、1978年には合成ダイヤの売り上げが天然ダイヤを上回り、1980年代後半にはCVD合成に成功、世界で最も合成ダイヤの製造ノウハウを有している会社と言われています。無色、タイプⅡAの合成ダイヤはレーザー等、工業用にも使用されるのですが宝飾用としても使用可能なアイテムです。他社の合成ダイヤが宝飾市場で販売されることにDe Beersが不快感を覚えているという報道は以前からありましたが、この特許侵害訴訟はDe Beersの宝飾合成ダイヤ市場進出の布石ではないかと穿った見方をする向きもあるのです。私は1980年代の初めにブラウンやナッツやミルキーなどの低品質のメレーがインドの市場に大量に登場して驚いた覚えがあります。今からして思えば、あれは合成に取って代わられて売れなくなった工業用ダイヤ原石を宝飾用に転換して売りさばいた結果ではないかという気がしています。原石を高く売ることが目的ではなく在庫処分だったため価格は安く、インドの研磨業者は研磨したダイヤがコストの数倍で売れて、ダイヤモンド産業急成長の原動力になった模様です。また、ジュエリーの大衆化が進行した時代で市場も安い材料を求めていたことがDe Beersにとっても幸運だったわけです。この経緯を考えるとDe Beersが宝飾合成ダイヤ市場への進出を考えている可能性はあると思います。
 
金融不安とダイヤモンド市場
昨年末の米国の利上げ、今年に入っての日銀のマイナス金利導入にもかかわらず、日本の株は荒い動きながら下落、為替も円高ドル安に振れ、2月初めに1ドル122円だった為替は一時110円台まで上昇しました。世界的に金融不安が進行する中で、ダイヤ市場の行方はどうなって行くのでしょうか。経済の減速は基本的には宝飾品の売り上げ減につながって価格下落の要因ですが、ダイヤは投資商品(コモディティ)としての側面をもっています。石油、鉄、アルミ等従来のコモディティが大きく値下がりする中、ダイヤはファンシーカラーダイヤ、10ctアップのダイヤを中心に堅調な価格を維持しています。ここにきて値上がり傾向の金やプラチナ同様通貨不安の受け皿になりえるのです。研磨業者も前回の失敗に懲りて無闇な増産に走ることはないでしょうから2016年のダイヤモンド市場は堅調に推移すると予想します。


 

(22)変貌を遂げるダイヤモンド・メレー市場

先ず、リサイクル・メレーの現状について触れておきましょう。地金の買取がブームになり始めた頃、メレーは殆ど評価されずに買い取られていました。ごく安い価格で捌かれていた外しメレーをインド人が買って儲かったという話が本国で広まって、日本のリサイクル・メレーが一躍有名になりました。今では製品買取の際もメレーはそれなりの値段が付くようになって、まとめて香港やインドに輸出されるケースが多くなっています。以前に比べ高くはなりましたが原石からカットされるメレーの数分の一の価格です。ただ、サイズ、品質がバラバラでカットもまちまちなので仕訳に手間がかかりますし、欠けた石やキュービック等が混じっていることもあって、日本のリサイクル・メレーが安いというのは幻想に過ぎないと言い切るインド人もいます。価格の変動も激しく、インドルピーが対USドルで最安値を付けた2013年は価格が2,3割下落しました。インドの低価格帯メレーに関しては日本のリサイクル・メレーがかなりの部分を占めていると言われています。

リサイクルのメレーを仕入れて加工に使うというケースは多くないかもしれませんが、リモデルの際、エンドユーザーの製品から外したメレーを使うケースはあるのではないでしょうか。複数のジュエリーから外したメレーは品質が均一であることはまずありません。メレーの品質が揃ってないと良い製品はできないことを肝に銘じて外したメレーの品質チェックをしっかり行われることをおすすめします。
 

ここ10年くらいでメレーのマーケットは大きく変化しました。インドが研磨の中心地であるという事情は変わりませんが、同時にインドはポインターやキャラアップ石でも最大の研磨地となりましたからメレーの研磨から一個石の研磨に切り替えたり、メレーの研磨量を減らす業者が出て、メレーの生産量は減少しています。大粒石の研磨の方が圧倒的に経営効率がよいからです。

供給が減少して需要が横ばいなら価格は上昇してビジネスは堅調のはずですが、メレーのビジネスはなかなかそう簡単には進んでいません。需要は大きく落ち込んでいる訳ではありませんが、偏りが以前とは比較にならないくらい大きくなっているのです。かつては国によって人気のあるサイズ、品質にばらつきがあってもトータルでは生産したメレーが概ね売れてゆくという流れでしたが、今は世界的な需要が似かよってきて必要な商品は調達するのが難しく、必要ない商品はあふれている状態です。世界的に景気が停滞しているせいでサイズの下落傾向も顕著です。

最も需要が大きいのは1/100ctです。このサイズはほぼすべてのクラリティーで需要が供給を大きく上回っていて、研磨業者も流通業者もジュエリーメーカーもその調達に頭を悩ませています。-2+000サイズ(1/120~1/200ct)も不足しているサイズです。マイクロセッティング・ジュエリーの人気とダウンサイジングが後押ししていると言われています。このサイズの問題は研磨時にどうしても出来てしまう-000(1/300ct以下)のメレーです。ジュエリーに使うには小さすぎるということでかなりの量が売れずに残っているようで、-000の在庫を嫌って-2の生産から撤退した業者もいます。

需要のあるサイズがわかっていても研磨後のサイズが大雑把にしか把握できないこと、必要なサイズ、クラリティのダイヤ原石をピンポイントで仕入することが難しいことがメレーの生産業者にとって頭の痛い問題になっています。

一方、ダブつき気味のサイズは1/60~1/50ct、1/25~1/15ct、1/8ctのレンジです。かつて需要の強かった1/50ctがダブついているという現実に隔世の感を禁じえません。

ファンシーカット・メレーの生産も減少しています。直径が合えば石合わせ可能なラウンドと異なり縦、横、幅が合わなければ石合わせができないファンシーカット材料は丸よりももっと生産効率の悪い商品です。原石の価格、工賃が上昇し続けている現状では昔のような高い利益率を確保することは難しいので、多くのファンシーカット専門の研磨業者が効率の良いラウンドの生産にシフトを始めています。その結果、ファンシーカット材料の価格は丸メレーに比べかなり高くなっています。

インドの研磨技術が向上してメイクが良くなるに従って、直径とキャラットの関係も微妙に変化しています。直径1mmなら1/200ct、1.3mmなら1/100ct、1.5mmなら1/70ctと記憶されている方もいらっしゃると思いますが、ナイスメイクのメレーでは直径1mmで1/250ct、1.3mmで1/120ct、1.5mmで1/80ct位までアベレージは下がっています。クラリティが下がるに従ってアベレージのキャラットは増しますが、それでも昔よりは軽くなっています。
(時宝光学新聞平成25年10月25日、ジュエリー3R特集の執筆記事に加筆、修正しました)



 

(21)再びロシアのダイヤに合成疑惑

2012年9月にロシアは1970年代に既に発見されていた大規模なダイヤモンド鉱脈が東シベリアに存在することを公表しました。この鉱脈は直径100km以上のポピガイと呼ばれる隕石クレーターにあり埋蔵量は数億キャラット、世界のダイヤモンド需要の3000年分を満たす量で、ダイヤ価格が暴落してロシアの利益が損なわれぬように発表を控えてきた、とされています。
 
このポピガイ・ダイヤはいわゆる衝突ダイヤ(Impact Diamond)と呼ばれるもので、隕石が地球に落下した際、地中のグラファイト(黒鉛)と衝突して瞬間的につくられた従来のロシア産ダイヤとは生成過程が異なるタイプのダイヤです。グラファイトを含む多結晶質の集積であるため一般のダイヤの2倍の硬度を持っていますが、色は真っ黒、内包物も多く、宝石質のものは存在しないとかつては報告されていました。大きな原石は出ているようですが、いくら埋蔵量が莫大であると言っても生成過程を考えるとクリスタル系の原石が含まれている可能性は極めて低いと思われます。硬度が高いことを活かして工業用に使用されることはあるでしょうが。

なぜ、3000年の需要を満たすとか、ダイヤ価格の暴落を恐れて公表を控えてきた、などとロシアは言うのだろうと、不審に感じていたのですが、ここにきて密かに囁かれているのがロシアの合成ダイヤ製造疑惑です。かつてロシアのダイヤが合成でないかと噂になったことがありました。ほぼ同じかたち、ほぼ同じ大きさのクリスタル系原石が大量に研磨され、内包物の特徴も類似していたからです。この疑惑はロシア産のダイヤに合成には見られない特徴が認められる、ということで一件落着しましたが、未だに合成であると主張する人も存在します。一般天然ダイヤは何万年もかけてゆっくり生成されますが、衝突ダイヤの生成は衝突の一瞬です。衝突ダイヤは時間的に見れば合成ダイヤに近い生成過程を持っているのです。ロシアは新しい技術でつくった合成ダイヤを衝突ダイヤと称して市場に流そうとして、この時期にポピガイ鉱脈の公表を行ったのではないかという疑惑が出ているのです。穿った見方ではありますが、ロシアならやりかねない、と頷いてしまうところが確かにあります。

このような疑惑が出てくるのはすべてロシアがきちんとした情報公開をしてこなかったせいです。ロシア一国ではなく世界のダイヤモンド業界に大きな影響を及ぼすことを踏まえて、広く情報公開が行われることを望みます。